2023年第4四半期のファイザーの決算をまとめていきます。
決算の概要
まずは決算の概要をまとめていきます。
2023年決算の概要
2023年の売上高は585億ドルで、ComirnatyとPaxlovidの収益の減少が影響し、前年比で41%の減少となりました。
ただし、ComirnatyとPaxlovidの収益を除くと、新製品や適応症の発売、既存製品の成長などにより、7%の増加となった。
※ComirnatyとPaxlovidはコロナ関連製品
2023年第4四半期の概要
2023年の四半期の売上高は142億ドルで、ComirnatyとPaxlovidの収益の減少が影響し、前年比で42%の減少となりました。
ただし、ComirnatyとPaxlovidの収益を除くと、8%の増加となりました。
2024年の見通し
2024年の財務ガイダンスは、売上高が585億ドルから615億ドル、調整後のEPSが2.05ドルから2.25ドルになる予想。
経営陣のコメント
決算を受けてファイザー経営陣のコメントをまとめていきます。
ファイザーの会長兼最高経営責任者(Dr. Albert Bourla)のコメント
・非COVID製品のパフォーマンスが貢献しており、新製品・既存製品の年間成長が寄与した。
・2023年に米国食品医薬品局(FDA)から9つの新しい分子実体承認を受け、これらの薬剤やワクチンは、今後数年間でファイザーの業績に好影響を与えるだろう。
・Seagenの買収を完了し、世界クラスの腫瘍学リーダーシップを達成するための重要な一歩を踏み出した。
まとめると以下の通りです。
- 非COVID製品の成長が寄与した
- 9つの新製品が承認を受けた
- Seagenの買収が完了した
最高財務責任者兼執行副社長(David Denton)のコメント
・2023年第4四半期における非COVID製品の8%の運用収益成長に満足しており、6%〜8%の非COVID運用収益成長目標を達成しました。
・年間純コスト削減額40億ドル以上を2024年末までに実現する予定です。
・新しく立ち上げた製品や買収した製品からの持続的な成長を促進し、目標コスト削減を実現し、2024年以降の運用マージンの拡大を行っていく。
まとめると以下の通りです。
- 非COVID製品の成長は目標通りだった
- コスト削減を推進していく
- 新製品をによる利益拡大を推進していく
ガイダンス要約
2024年のガイダンスは以下の通りです。
2024年度の売上高が585億ドルから615億ドルの範囲内になると予想しており、以下の収益が含まれている。
- Comirnaty(約50億ドル)とPaxlovid(約30億ドル)の収益
- Seagenからの約31億ドル
- ロイヤルティ収入の約10億ドル
Seagenの収益を含み、ComirnatyとPaxlovidの収益を除いた場合、2023年の売上高に対して、2024年度の運用収益成長率が8%〜10%と予想している。
ComirnatyとPaxlovidの収益とSeagenの収益を除いた場合、2023年の売上高に対して、2024年度の運用収益成長率が3%〜5%と予想している。
2024年度の調整後希釈EPSは、2.05ドルから2.25ドルの範囲内になると予想されている。
四半期決算要約
2023年第4四半期の決算をまとめると以下の通りです。
2023年第4四半期の売上高は、前年同期比で$10.0 billion現象(41%減少)し、ComirnatyとPaxlovidの収益の減少が主な要因だった。
ただし、ComirnatyとPaxlovidの収益を除くと、会社の売上高は$934 million増加(8%増加)した。
ComirnatyとPaxlovidの収益を除くと、第4四半期の収益成長は、以下によって主にもたらされた。
- Abrysvo:米国での老年者適応の発売による$515 million収益。
- Vyndaqelファミリー(Vyndaqel、Vyndamax、Vynmac):米国とヨーロッパを中心としてトランスサイレチンアミロイド心筋症(ATTR-CM)に対する製品の39%の収益増加。
財務状況要約
以下は、2023年の第4四半期における財務状況の要約です。
- 2023年の売上高は、ComirnatyとPaxlovidの貢献を除いた場合、7%成長し585億ドルだった。
- 前年度に比べて、ComirnatyとPaxlovidのグローバル売上高が大幅に低下した。
- 2022年第4四半期に取得したNurtec ODT / VyduraとOxbrytaの売上高増加、米国での老年者向けのAbrysvoの売上高増加し、VyndaqelファミリーとEliquisも売り上げが増加した。
まとめ
今回はファイザーの第4四半期決算をまとめてきました。
要約すると以下の通りです。
- COVID関連製品の減少により売上高は低下した
- 非COVID製品は売上高が成長している
コロナ渦中とコロナ後では局面が違うので、株価の下落に惑わされず、非COVID製品の成長に目を向けていくべきですね。
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